賃貸マンションやアパートでは、住居とその設備は家主のものであり、借主が勝手に変更することはできません。ですから設備などを損失・変更させてしまった場合、借主には弁済の義務が生じることがあります。
大抵の場合、賃貸住宅においては大家さんと借主とでは立場上、どうしても借りている側が弱く感じます。しかし、本来顧客である借主は、法的に見ても家主より強い立場にあるよう保護されています。
借主が引っ越す場合、借主に賃貸物件の原状復帰が求められます。つまり、壊れたものや失くしたものについては、借りた時の状態に戻して返さなくてはならないというわけです。たとえば窓ガラスを割ってしまっていたら、当然元に戻さなければならないというわけです。
しかしその一方で「通常の生活を送っていることで生じた欠損や汚れ」については、法的に借主に弁済義務はないとなっています。つまり多くの場合、引っ越しの際に生じる弁済義務が本来借主が負担するものではないのです。
窓ガラスにひびなどが生じたとしても、過失によって壊してしまったのでなければ、これは無料で交換してもらうことが可能ということになります。特にアパートでよく使用されるワイヤーの入った窓ガラスは、通常の窓ガラスに比べて耐久性が低く、温度差などでひびが生じやすいとも言われます。自分ではまったく身に覚えがないにも関わらず、窓ガラスにひびが入っていたとしたら、あきらめずに「自然に割れたこと」をきちんと説明しましょう。きちんとした大家さんであれば、ガラスのひびが不可抗力によるものか、何かをぶつけたことによるものかは区別がつきます。温度差などでガラスにひびが生じる場合、ガラスの端、サッシとの隙間から亀裂が生じることがほとんどですが、何かをぶつけて割れるときは、衝突物との接点を中心にひびが広がるように入るのです。
なんにしろ自分に責任が無い場合、窓ガラスの交換は基本無料というわけです。